理想の環境は「サギ山」な生き物 しらさぎ

第64回目  しらさぎ

理想の環境は「サギ山」な生き物 しらさぎ

 

日本ではダイサギ・チュウサギ・コサギ、まれに飛来するカラ

シラサギが該当するよ。

目前のしらさぎを同定するには、大きさや、くちばし、趾

(あしゆび)の色、冠羽の有無などを手掛かりとする。

 

群れで繁殖することを好むよ。

特に理想の環境は「サギ山」だよ。

サギ山を形成することで外敵から身を守り、より多くのヒナ

が巣立つことができるんだよ。

サギ山は木が立ち並ぶ場所(多くは小高い丘や林など)に形成

するんだ。

 

繁殖期は4~7月ごろで、木の上などに枝を運び込んで皿状の巣

を作るよ。

雄が巣材を集めて雌が組み上げて巣が作られます。

2~5個の卵を産んで、雌雄が協力して卵を温めるんだ。

22~26日ほどで孵化して、両親がせっせと魚やカエル、昆虫

などを与えるよ。

 

昼に活動するしらさぎ、夜間にエサを探すこともあるんだよ。

ヒナの成長は早くて、孵化して30~40日くらいで巣立ちを迎え

るんだよ。

多くの幼鳥は、冬を乗り越えられずに死んでしまうんだ。

最初の冬を乗り越えたサギは長寿になる傾向があって、何年も

生き延びて子孫を増やすんだ。

サギの仲間は非常に賢くて、生息環境が変わっても、サギ山を

潰されても臨機応変に場所を変え、巣をつくるんだよ。

 

種類の見分け方、ダイサギがいちばん大きくて、コサギがいち

ばん小さいよ。

チュウサギはその中間くらい。

 

単独でいる時は体の特徴をもとに観察してみて。

ダイサギは口の端が目の位置より深く切れ込んでいるよ。

よく見るとヘビのような口をしているんだ。

ダイサギは頭が平らで、くちばしから頭頂まで流線型だよ。

 

チュウサギは目の真下で口の切り口が止まっているよ。

くちばしも、チュウサギのほうが短いので、何度も観察する

うちに判断できるよ。

 

 

しらさぎの中では、この2種類の判別がいちばん難しいよ。

コサギは体の大きさと、夏羽ならアンテナのような冠羽で判断

できるよ。

背中の飾り羽がカールしているのもポイントだよ。

もし歩いていて足が見えるなら、足の指を確認してみよう。

黄色いスリッパのような足だったら、それはコサギだよ。

 

          第64回目  しらさぎ  完

1日に500回も巣と餌場を往復する生き物 ツバメ

第58回目  ツバメ


1日に500回も巣と餌場を往復する生き物 ツバメ

 

北海道から九州までの地域に飛来して、人家や商店、駅などに

泥で巣をつくるんだよ。

体は黒色で、お腹は白く、額と喉が赤いよ。

肉食で、空中で昆虫を捕えて食べて、水も水面を滑空しながら

飲むんだよ。

 

オスメスともに寿命は7年くらいで、そのうちの約2週間を卵とし

て過ごして、幼鳥の期間は1年だよ。

オスはメスに比べて尾が長いのが特徴だよ。

子育てが終わると、川沿いのヨシ原などで数千羽から数万羽が集まっ

て、寝ぐらをとるんだ。

 

8月中旬から10月にかけて東南アジアへ渡るんだよ。

 

体長は、15~20cm、翼開長は30cmくらい

 

喉の赤い羽毛が生えた部分の面積が大きく、鮮やかで、太って

いるオスほどモテると考えられているんだよ。

ツバメは長距離を移動する渡り鳥なんだよ。

春から夏を日本で過ごしたツバメは、9月中旬から10月の終わり

になり気温が下がると、餌となる昆虫が少なくなる日本を後にし

て、台湾やフィリピン、マレー半島、オーストラリアなど3000~

5000kmも離れた南の国へ移動するんだ。

日本を出発し、集団で行動して、台湾以南に渡る場合はフィリピン

近海でばらけて目的地に進んでいくんだって。

そのスピードは、時速45~50kmほど

途中で休みながらも、1日に最長で300kmも移動することが確認され

ているんだよ。

太陽の位置を目印にしながら進路を定めているそう。

 

ツバメの巣は、民家の軒下などに主に田んぼなどから運んできた

泥や枯草を使って作られているんだよ。

3月頃からつがいで協力して作業を開始するよ。

口から分泌される唾液などを練り込むことで強度を高め、少しず

つ泥を重ねていくことでお椀状の巣ができるんだ。

 

枯草や自らの羽毛を敷き詰めてフカフカにして、産卵用のベッド

をつくるんだよ。

産卵をするのは4~5月。

1日に1個ずつ、合計で3~7個の卵を産みます。

卵はメスが中心になって温め、2週間前後で孵化します。

雛にはオスとメスが交代で餌を与えて、親鳥たちは1日に500回も巣

と餌場を往復するんだって。

その間、雛は巣の中でじっと待ち続けるんだよ。

 

梅雨を迎える頃になると、いよいよ巣立ち。

巣立ってから1週間前後は親から餌をもらう個体もいるよ。

巣立ちまで生き残ることができる雛は5割程度なんだ。

この後続けて2回目の産卵と子育てをおこなう親鳥もいるけど、

夏までにはすべての雛が巣立っていくんだよ。

秋になると暖かい南の国を目指して日本を後にするけど、親鳥たち

は翌年の春になると、昨年作った巣の近くで待ち合わせをして、再

び産卵をするんだ。

体が小さくて、強く育たない可能性のある雛には餌を与えずに巣か

ら落とすこともあるんだそう。

何度も餌場と巣を往復する献身的な子育てかと思いきや、意外とシ

ビアな一面があるんだね。

         

         第58回目  ツバメ  完

お引っ越しといえばこの生き物 カルガモ

第44回目  カルガモ

カルガモは春先には、ひなを連れてお引っ越しをする姿で知られてい

るね(´▽`)

カルガモがお引っ越しをするのは、ヒナを育てる環境をよりよくする

ためだと考えられているんだよ。

10羽近いヒナに加えて、他の野鳥たちも同じ場所で生息しているから

エサ不足がおこるんだ。

なので、定期的に引っ越しをするんだよ。

毎年、カルガモのお引越し映像がニュースで流れるとヒヤヒヤしてし

まう、引っ越しが完了すると自分が引っ越ししたように疲れてる(^-^;

 

 

基本的には湖や池、川などの淡水域で暮らしているんだよ。

池や川を通りかかったとき、カルガモがぷかぷか浮いてるとつい見入

ってしまう私です(´▽`)

体はオスの方が大きくて、平均で60cmくらいで、メスは50cmくらい

なんだよ(^^)/

 

カルガモは、基本雑食性の生き物で小魚や昆虫、水草などを主に食べ

ているんだよ。

寿命は野生下では5~10年前後、飼育下だと20年ほど生きたケースも

あるんだって!

 

カルガモは一年中見られる野鳥で、留鳥(りゅうちょう)というん

だよ(^^)/

           

            第44回目  カルガモ  完

春と言えばホーホケキョの生き物 うぐいす

第20回目  うぐいす

うぐいすは、日本三鳴鳥(ウグイス・オオルリ・コマドリ)と言われていて、鳴

き声がとてもきれいなんだよ。

 

 

鳴くのは、縄張りを見張っているオスで、ホーホケキョが他の鳥に対する縄張り

表現なんだよ。

巣にエサを運ぶメスに対する縄張りは安全の合図でもあるんだ。

 

 

「ケキョケキョケキョ」が侵入者や外敵への威嚇だといわれていて、これ

を合図に、メスは自身の安全のためと、外敵に巣の位置を知られないようにする

ためにエサの運搬を止めて身をひそめるんだよ。

それ以外は「チャッチャッ」と鳴くんだって!

 

 

うぐいす色って緑でしょ(うぐいすパンに入ってる、あんこが緑)

だから、うぐいすが緑って思ってて、メジロのことずっと「うぐいす」って間違

って覚えてたんだよね(^-^;(あるあるらしい)

 

警戒心が強いから見たことない人のほうが多いんじゃないかな。

鳴き声も、動物園でしか聞いたことがなかった(上野動物園で聞いたんだけど、

姿はよくわからなかったんだよね)

ホーは吸う息、ホケキョは吐く息、胸をいっぱいふくらませてなくんだよ(´▽`)

 

 

身体の大きさは、オス全長16cm 、メスは2cmほど小さいんだよ。

色は、オス・メス同じなんだ。

想像よりも大きなって思ったのは、私だけでしょうか(^-^;

 

 

日本では全国の平地から山地の林やその周辺にある藪で繁殖するんだって(^^)/

 

 

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                   第20回目  うぐいす 完

顔は怖いけど愛嬌のある姿な生き物 ハシビロコウ

第9回目  ハシビロコウ

ゆっくりとした動きで、じっとしていることが多く、「動かない鳥」

としてしられているハシビロコウ。

 

 

巨大な嘴(クチバシ)を持ち、嘴(クチバシ)を打ち合わせて音を出

すんだけどそれをクラッタリンっていうんだよ

(求愛行動の時もみれるよ)

アフリカの湿地や草原でくらしているよ。

普段は一人で暮らしているハシビロコウだけど、子育ての時期だけオ

スとメスが協力してこどもを育てるんだ。

産まれる卵は3個くらいで、一ヶ月で赤ちゃんが生まれてくるよ。

赤ちゃんは大きくなると、獲物の取り方を親から教えてもらって、一

人前になると巣立っていくんだ。

ハシビロコウは一日中ほとんど動かないで、獲物のハイギョがよく現

れるポイントでじっとハイギョが現れるのを待っているんだ。

 

 

ハイギョが出てくるといつもの動きとは想像できないくらいの速さで

獲物に食いつくんだよ。(上野動物園で偶然見たことあるけど、素早

かったよ(^^)

挨拶や求愛をする時にクチバシを叩き合わせながらお辞儀をするんだ

よ。

ある動物園では飼育担当者にお辞儀をすることもあるんだって(^^)

普段一人で暮らしているから、知らない人が近くに来られることが

苦手。

 

 

違うハシビロコウが自分のなわばりに入ってくると翼を広げて威嚇する

こともあるんだ。

寿命は30〜40年と考えられていて、日本では40年以上生きている個体が

いるよ全長 120cm体重  5〜6kg翼を広げると250cmコウノトリに近い

と考えられていたけど、最近、遺伝子的にはペリカンに近いことが分か

ったんだよ。

ハイギョという大きな魚を捕まえるために大きなクチバシを持っていて、

クチバシの先は獲物を逃がさないように釣り針のように鋭く曲がってい

るんだよ。

湿地で暮らしているから、体が沈み込まないようにとても長い指と大き

な足を持っているんだよ。

 

 

とても鋭い目をしていて、視力もよく、獲物のハイギョが水の中で出し

た空気の泡を見つけることができるんだよ。

若い時は目が黄色で、歳を取るにつれて青色に変化するよ。

野生ではハイギョという魚を食べるけど、ある動物園ではニジマスを3

匹あたえているんだって(´▽`)

寝る時は足を折り畳んで座って寝ることがあるんだよ。

正面から見ると、とても目力が強いけど、横から見ると真ん丸な目がか

わいく見えたりするんだ。

 

 

愛嬌ある姿と怖い顔のギャップに、惹かれる人が多いのでは(´▽`)

動かないとはいえよく観察してみるといろんな表情を見せてくれるハ

シビロコウ少ない動きだからこそ、動物園に行ったときには長い時間、

観察してみてね。

動く姿が見られなかったとしても、それもハシビロコウさんですから

(^^)

 

               第9回目  ハシビロコウ  完

 

 

 

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