邪魔鳴きする生き物 ツクツクボウシ

第62回目  ツクツクボウシ

邪魔鳴きする生き物 ツクツクボウシ

 

「オーシーツクツクツク、ツクツクボーシ…」というなき声

からこのような名前がつけられたんだよ。

オスは42~46ミリ、メスは40~44ミリ

9月になるとツクツクボウシのなき声が聞こえるようになる。

あるオスがないているとき、近くにいる他のオスが「ジーィ」

と邪魔をする様ように鳴くんだよ。

7月下旬から10月にかけて成虫が出現して、産卵するんだよ。

卵は翌年に孵化し、幼虫は土中で5回の脱皮を経ながら3、4年

すごすと考えられているんだ。

幼虫は湿気の多い土中を好むよ。

ツクツクボウシは警戒心が強くて動きも素早いのでから、クマ

ゼミやアブラゼミに比べて捕獲が難しいみたい。

夏の終わりを告げるセミとも呼ばれていて、このセミが鳴きだす

と、夏休みの終わりを連想する人も多いのでは。

 

 

【子供のころの話】

①庭の木にやってくるセミを捕まえたくて網を持って狙いを定め

て「オリャー」って振り上げた瞬間にオシッコかけられ逃げられ

た!

②セミを捕まえにお隣のお庭へいったら、ちょうど脱皮してると

ころだった。体が乾いてセミになっていくところを観察できた、

あれは、感動する。

 

        第62回目  ツクツクボウシ  完

 

どんな料理にも引っぱりだこな生き物 カキ

第61回目  カキ

 

どんな料理にも引っぱりだこな生き物 カキ

 

カキ カキは漢字で「牡蠣」と書くんだけど、これは昔、カキ

「牡(オス)」しかいないと考えられていた事があるからとか、

岩から掻き落としてとること、殻を欠き砕いて中身をとること

に由来すると考えられているんだよ。

環境などの影響によって雄になったり雌になったりと性転換を

行う貝で、栄養の多い場所に住む個体は雄になる可能性が高い

とされているんだ。

性転換を複数回行うものもいるそう。

産卵期は6月から8月、一部秋に産卵する個体もあるんだって。

 

岩など硬いものに好んで付着する性質を持つと思われているけど、

本来は干潟泥質に浮かぶように成長するんだよ。

そのカキに別個体が付着して、たくさんのカキ殻の大きくなったも

のをカキ礁と呼ぶんだ。

殻付き、むき身などで秋から春にかけて最盛期を迎える食材。

冷凍されたものも多く出回っていて、年間を通して利用されて

いるね。

カキフライ、鍋物、中華料理など、カキはどんな料理にも引っ

ぱりだこだよね(^^)/

栄養学的にも優れた食材で、疲れをとったり、肝臓の働きを助

けるグリコーゲン、亜鉛などが豊富なんだよ。

カキのエサは海水中に漂う植物プランクトンなどです。

大量に飲み込んだ海水を濾過して、エサだけを体内に取り込む

んだよ。

成長したカキは 、1 時間に10リットル以上の海水を濾過する能力

があるんだ。

 

 

            第61回目  カキ  完

 

1959年に存在が認められた生き物 チンアナゴ

第60回目  チンアナゴ

 

1959年に存在が認められた魚 チンアナゴ

野生のチンアナゴの仲間は、海底に巣穴を掘って体を隠しながら

生活しているんだよ。

餌は、水流にのって流れてくるプランクトン。

餌が流れてくるまでじっと待つんだよ。

そのため、よく周りを見ていて餌が流れてきたら体を伸ばして

キャッチするんだ。

間違って、餌ではないものを口に入れてしまうことが!

そんな時は、すぐに吐き出すんだよ(ちょっと笑える)

 

飼育されているチンアナゴは、水槽で頻繁にケンカがおこるよ。

威嚇をしているときは普段の表情が一転して、口を大きく開け

て、ものすごく怒った顔になるんだって。

水族館では、珍しいチンアナゴの全身も見ることができるよ。

泳いでいるチンアナゴを発見したら、巣穴を掘るところがみ

れるかもしれないから、追いかけてみて(^^)/

 

砂を掘るのに便利な先のとがった尾ひれがついているからあっと

いう間に巣穴を掘って身を隠すよ。‌

ちなみに、11月11日は、チンアナゴが数字の「1」に似ていること

からすみだ水族館が2013年に申請して、認定された記念日「チンア

ナゴの日」なんだって(^^)/

 

すみだ水族館では毎年、チンアナゴをテーマとしたイベントを開催

しているそうだよ!

チンアナゴは習性で、水が流れてくる方向に体を向け、水流に乗って

くるゴハンを食べています。

なので、みんなで同じ方向に顔を向けているんだよ。‌

 

チンアナゴは、1959年に存在が認められた魚

呼吸をする「えら」や、透明の背びれもちゃんとあるし、胸び

れも、とても小さいけど、あるんだよ!‌

ちなみに、このおなか側の黒い点の中には肛門があって、ずっ

と見ていればうんちが出てくる瞬間も見られるよ。‌

チンアナゴは天敵が近づいても泳いで逃げないで、砂の中に全身

を隠すんだよ。

背後から敵が近づいてきた場合、1匹でいると気づくことができな

い場合もあるから、群れていれば誰かが潜った時点で危険が近づい

ていることがわかるため、固まって生活しているんだよ。

 

          第60回目  チンアナゴ  完

鬼のような怖そうな顔の生き物 オニヤンマ

第59回目  オニヤンマ

鬼のような怖そうな顔の生き物 オニヤンマ

 

 

森林や林縁部の小川や湿地の近くや林道、時には住宅地を旋回

することもあるよ。

幼虫は大きな河川よりも、支流や水田近辺の水路にいて、水底

の泥の中に潜んでいるんだ。

生息地は北海道から沖縄までの日本全国なんだよ。

 

日本最大のトンボで、頭部から腹の先端までは90~110mm

メスはオスより大きいよ。

成虫は6~9月頃に発生して、自然の多い地域、山頂付近や丘陵地

の林道などでよく目撃されるよ。

 

都市部だと車道や歩道に沿って飛行する姿を見かけることができ

るのでは。

オスのナワバリにメスが入ってくると、オスがメスを捕まえて交尾

をするよ。

交尾後は、メスは小川や水路など水際ぎりぎりの浅い水底の柔らか

い泥や砂の中に産卵するんだよ。

産卵から1ヵ月ほどで孵化する。

約10回の脱皮をして、3~5年かけて成長するよ。

夏の夜、泥をかぶった幼虫は羽化をするために水面上の石や杭

などに姿を現わすよ。

 

成虫はガ、ハエ、アブ、ハチなどを空中で捕食するんだよ。

強力な顎をもっていて、指を噛まれると血がにじむくらいの傷を

負うことがあるから注意!

細い手足を使って捕まえ、先端には釣り針のような返しがついて

いるから、獲物が動くほどに深く食い込んでいくんだよ。

幼虫は水中のミジンコ、昆虫、小魚などを捕食するんだ。

オニヤンマとは、鬼のような怖そうな顔と、体の黒と黄色の模様

が鬼のつけるふんどしを思わせるからだといわれているよ。

 

東京都では絶滅危惧II類に分類されているんだよ。

日本に生息するトンボのなかでも最大の大きさを誇るオニヤンマ。

最大の敵はスズメバチなんだけど、オニヤンマは、スズメバチに

襲われると、体当たりで応戦するんだよ。

強力な顎で噛みつき、弱った相手を平然と食べてしまうこともある

そうだよ。

 

         第59回目  オニヤンマ  完

1日に500回も巣と餌場を往復する生き物 ツバメ

第58回目  ツバメ


1日に500回も巣と餌場を往復する生き物 ツバメ

 

北海道から九州までの地域に飛来して、人家や商店、駅などに

泥で巣をつくるんだよ。

体は黒色で、お腹は白く、額と喉が赤いよ。

肉食で、空中で昆虫を捕えて食べて、水も水面を滑空しながら

飲むんだよ。

 

オスメスともに寿命は7年くらいで、そのうちの約2週間を卵とし

て過ごして、幼鳥の期間は1年だよ。

オスはメスに比べて尾が長いのが特徴だよ。

子育てが終わると、川沿いのヨシ原などで数千羽から数万羽が集まっ

て、寝ぐらをとるんだ。

 

8月中旬から10月にかけて東南アジアへ渡るんだよ。

 

体長は、15~20cm、翼開長は30cmくらい

 

喉の赤い羽毛が生えた部分の面積が大きく、鮮やかで、太って

いるオスほどモテると考えられているんだよ。

ツバメは長距離を移動する渡り鳥なんだよ。

春から夏を日本で過ごしたツバメは、9月中旬から10月の終わり

になり気温が下がると、餌となる昆虫が少なくなる日本を後にし

て、台湾やフィリピン、マレー半島、オーストラリアなど3000~

5000kmも離れた南の国へ移動するんだ。

日本を出発し、集団で行動して、台湾以南に渡る場合はフィリピン

近海でばらけて目的地に進んでいくんだって。

そのスピードは、時速45~50kmほど

途中で休みながらも、1日に最長で300kmも移動することが確認され

ているんだよ。

太陽の位置を目印にしながら進路を定めているそう。

 

ツバメの巣は、民家の軒下などに主に田んぼなどから運んできた

泥や枯草を使って作られているんだよ。

3月頃からつがいで協力して作業を開始するよ。

口から分泌される唾液などを練り込むことで強度を高め、少しず

つ泥を重ねていくことでお椀状の巣ができるんだ。

 

枯草や自らの羽毛を敷き詰めてフカフカにして、産卵用のベッド

をつくるんだよ。

産卵をするのは4~5月。

1日に1個ずつ、合計で3~7個の卵を産みます。

卵はメスが中心になって温め、2週間前後で孵化します。

雛にはオスとメスが交代で餌を与えて、親鳥たちは1日に500回も巣

と餌場を往復するんだって。

その間、雛は巣の中でじっと待ち続けるんだよ。

 

梅雨を迎える頃になると、いよいよ巣立ち。

巣立ってから1週間前後は親から餌をもらう個体もいるよ。

巣立ちまで生き残ることができる雛は5割程度なんだ。

この後続けて2回目の産卵と子育てをおこなう親鳥もいるけど、

夏までにはすべての雛が巣立っていくんだよ。

秋になると暖かい南の国を目指して日本を後にするけど、親鳥たち

は翌年の春になると、昨年作った巣の近くで待ち合わせをして、再

び産卵をするんだ。

体が小さくて、強く育たない可能性のある雛には餌を与えずに巣か

ら落とすこともあるんだそう。

何度も餌場と巣を往復する献身的な子育てかと思いきや、意外とシ

ビアな一面があるんだね。

         

         第58回目  ツバメ  完