1959年に存在が認められた生き物 チンアナゴ

第60回目  チンアナゴ

 

1959年に存在が認められた魚 チンアナゴ

野生のチンアナゴの仲間は、海底に巣穴を掘って体を隠しながら

生活しているんだよ。

餌は、水流にのって流れてくるプランクトン。

餌が流れてくるまでじっと待つんだよ。

そのため、よく周りを見ていて餌が流れてきたら体を伸ばして

キャッチするんだ。

間違って、餌ではないものを口に入れてしまうことが!

そんな時は、すぐに吐き出すんだよ(ちょっと笑える)

 

飼育されているチンアナゴは、水槽で頻繁にケンカがおこるよ。

威嚇をしているときは普段の表情が一転して、口を大きく開け

て、ものすごく怒った顔になるんだって。

水族館では、珍しいチンアナゴの全身も見ることができるよ。

泳いでいるチンアナゴを発見したら、巣穴を掘るところがみ

れるかもしれないから、追いかけてみて(^^)/

 

砂を掘るのに便利な先のとがった尾ひれがついているからあっと

いう間に巣穴を掘って身を隠すよ。‌

ちなみに、11月11日は、チンアナゴが数字の「1」に似ていること

からすみだ水族館が2013年に申請して、認定された記念日「チンア

ナゴの日」なんだって(^^)/

 

すみだ水族館では毎年、チンアナゴをテーマとしたイベントを開催

しているそうだよ!

チンアナゴは習性で、水が流れてくる方向に体を向け、水流に乗って

くるゴハンを食べています。

なので、みんなで同じ方向に顔を向けているんだよ。‌

 

チンアナゴは、1959年に存在が認められた魚

呼吸をする「えら」や、透明の背びれもちゃんとあるし、胸び

れも、とても小さいけど、あるんだよ!‌

ちなみに、このおなか側の黒い点の中には肛門があって、ずっ

と見ていればうんちが出てくる瞬間も見られるよ。‌

チンアナゴは天敵が近づいても泳いで逃げないで、砂の中に全身

を隠すんだよ。

背後から敵が近づいてきた場合、1匹でいると気づくことができな

い場合もあるから、群れていれば誰かが潜った時点で危険が近づい

ていることがわかるため、固まって生活しているんだよ。

 

          第60回目  チンアナゴ  完

鬼のような怖そうな顔の生き物 オニヤンマ

第59回目  オニヤンマ

鬼のような怖そうな顔の生き物 オニヤンマ

 

 

森林や林縁部の小川や湿地の近くや林道、時には住宅地を旋回

することもあるよ。

幼虫は大きな河川よりも、支流や水田近辺の水路にいて、水底

の泥の中に潜んでいるんだ。

生息地は北海道から沖縄までの日本全国なんだよ。

 

日本最大のトンボで、頭部から腹の先端までは90~110mm

メスはオスより大きいよ。

成虫は6~9月頃に発生して、自然の多い地域、山頂付近や丘陵地

の林道などでよく目撃されるよ。

 

都市部だと車道や歩道に沿って飛行する姿を見かけることができ

るのでは。

オスのナワバリにメスが入ってくると、オスがメスを捕まえて交尾

をするよ。

交尾後は、メスは小川や水路など水際ぎりぎりの浅い水底の柔らか

い泥や砂の中に産卵するんだよ。

産卵から1ヵ月ほどで孵化する。

約10回の脱皮をして、3~5年かけて成長するよ。

夏の夜、泥をかぶった幼虫は羽化をするために水面上の石や杭

などに姿を現わすよ。

 

成虫はガ、ハエ、アブ、ハチなどを空中で捕食するんだよ。

強力な顎をもっていて、指を噛まれると血がにじむくらいの傷を

負うことがあるから注意!

細い手足を使って捕まえ、先端には釣り針のような返しがついて

いるから、獲物が動くほどに深く食い込んでいくんだよ。

幼虫は水中のミジンコ、昆虫、小魚などを捕食するんだ。

オニヤンマとは、鬼のような怖そうな顔と、体の黒と黄色の模様

が鬼のつけるふんどしを思わせるからだといわれているよ。

 

東京都では絶滅危惧II類に分類されているんだよ。

日本に生息するトンボのなかでも最大の大きさを誇るオニヤンマ。

最大の敵はスズメバチなんだけど、オニヤンマは、スズメバチに

襲われると、体当たりで応戦するんだよ。

強力な顎で噛みつき、弱った相手を平然と食べてしまうこともある

そうだよ。

 

         第59回目  オニヤンマ  完

1日に500回も巣と餌場を往復する生き物 ツバメ

第58回目  ツバメ


1日に500回も巣と餌場を往復する生き物 ツバメ

 

北海道から九州までの地域に飛来して、人家や商店、駅などに

泥で巣をつくるんだよ。

体は黒色で、お腹は白く、額と喉が赤いよ。

肉食で、空中で昆虫を捕えて食べて、水も水面を滑空しながら

飲むんだよ。

 

オスメスともに寿命は7年くらいで、そのうちの約2週間を卵とし

て過ごして、幼鳥の期間は1年だよ。

オスはメスに比べて尾が長いのが特徴だよ。

子育てが終わると、川沿いのヨシ原などで数千羽から数万羽が集まっ

て、寝ぐらをとるんだ。

 

8月中旬から10月にかけて東南アジアへ渡るんだよ。

 

体長は、15~20cm、翼開長は30cmくらい

 

喉の赤い羽毛が生えた部分の面積が大きく、鮮やかで、太って

いるオスほどモテると考えられているんだよ。

ツバメは長距離を移動する渡り鳥なんだよ。

春から夏を日本で過ごしたツバメは、9月中旬から10月の終わり

になり気温が下がると、餌となる昆虫が少なくなる日本を後にし

て、台湾やフィリピン、マレー半島、オーストラリアなど3000~

5000kmも離れた南の国へ移動するんだ。

日本を出発し、集団で行動して、台湾以南に渡る場合はフィリピン

近海でばらけて目的地に進んでいくんだって。

そのスピードは、時速45~50kmほど

途中で休みながらも、1日に最長で300kmも移動することが確認され

ているんだよ。

太陽の位置を目印にしながら進路を定めているそう。

 

ツバメの巣は、民家の軒下などに主に田んぼなどから運んできた

泥や枯草を使って作られているんだよ。

3月頃からつがいで協力して作業を開始するよ。

口から分泌される唾液などを練り込むことで強度を高め、少しず

つ泥を重ねていくことでお椀状の巣ができるんだ。

 

枯草や自らの羽毛を敷き詰めてフカフカにして、産卵用のベッド

をつくるんだよ。

産卵をするのは4~5月。

1日に1個ずつ、合計で3~7個の卵を産みます。

卵はメスが中心になって温め、2週間前後で孵化します。

雛にはオスとメスが交代で餌を与えて、親鳥たちは1日に500回も巣

と餌場を往復するんだって。

その間、雛は巣の中でじっと待ち続けるんだよ。

 

梅雨を迎える頃になると、いよいよ巣立ち。

巣立ってから1週間前後は親から餌をもらう個体もいるよ。

巣立ちまで生き残ることができる雛は5割程度なんだ。

この後続けて2回目の産卵と子育てをおこなう親鳥もいるけど、

夏までにはすべての雛が巣立っていくんだよ。

秋になると暖かい南の国を目指して日本を後にするけど、親鳥たち

は翌年の春になると、昨年作った巣の近くで待ち合わせをして、再

び産卵をするんだ。

体が小さくて、強く育たない可能性のある雛には餌を与えずに巣か

ら落とすこともあるんだそう。

何度も餌場と巣を往復する献身的な子育てかと思いきや、意外とシ

ビアな一面があるんだね。

         

         第58回目  ツバメ  完

サバンナを大移動する生き物 ヌー

第57回目  ヌー

サバンナを大移動する生き物 ヌー

アフリカ東部から南部の開けたサバンナに生息。

ウシのような見た目の草食動物だよ(^^)/

肩高1.3~1.4メートル、体重150~270キログラム

角は雌雄にあって、長さ65センチメートルくらい。

寿命は約20年

乾期には数万頭の大群で、1日に50キロメートル、目的地まで1600

キロメートルを超す大移動をするんだ。

移動の途中で雄をリーダーとする繁殖期の群れがつくられるんだよ。

毎年行われている「ヌーの大移動」

巨大なヌーの群れがアフリカの大地を駆け抜け、決死の覚悟で川

を渡っていく姿をテレビ番組などで見たことがあるという人もい

るのでは。

「ヌー」という名前は、鳴き声が「ヌー」と聞こえることから名前

が付けられた、という説があるんだとか。

 

草食性の動物で、草原やサバンナに生えているあらゆる植物を食べ

ているんだよ。

ヌーが大移動をする目的は、新鮮で栄養豊富な草と水を手に入れる

ためなんだ。

100万頭以上のヌーと20万頭以上のグラントシマウマが入り混じっ

て長い列をつくって、ひたすら突き進むんだよ。

この大移動ではたくさんの危険がつきまとうんだ。

もっとも命を落とすヌーが多いのがケニアとタンザニアの間にある、

「マラ川」というとても大きな川なんだよ。

 

このマラ川を渡らなければ目的地にたどり着くことはできないし、

川を渡るヌーを捕まえようとする、ワニやライオンが待ち構えて

いるんだ。

川の途中で力尽きたり、けがをして溺死してしまうヌーも多くて、

毎年6000頭以上ものヌーがマラ川で命を落とすそうなんだよ。

溺死したヌーはワニや魚の食べ物になったり、川の水に溶け込んで

川の栄養分になって、アフリカの大地そのものの栄養になっている

と考えられているよ。

 

           第57回目  ヌー  完

硬い殻を石で叩き割る生き物 ラッコ

第56回目  ラッコ


貝類の硬い殻を石で叩き割って食べる習性があることはよく

知られているね。

皮膚はだぶついていて、食べ残った貝類などを腹部のたるみ

の間に入れておく習性もあるよ。

大食漢で、1日で自分の体重の4分の1くらい食べるんだ。

一部の生息地ではウニや貝類などへの漁業被害も報告されているよ。

 

昼間も行動するけど、朝夕が活発だよ。

夜間は、海藻の間などで寝るときは流されないように、海草を

体に巻きつけるんだよ。

体は長くて、頭は平たくて大きいけど、首は短くて、耳は小さい。

前足は短くて、指も短いんだよ。

 

後ろ足には水掻きがあって、平たくてひれ状になっているよ。

水中生活に適した体をしているんだ。

ラッコはほとんどを水中で生活して、陸上にはわずかな時間しか

上がることがないよ。

 

毛の長さも2.5cmくらいあって、冷たい水中にも耐えられるよう

になっているんだよ。

ラッコは、防寒効果を維持するため、常に毛づくろいをしているよ。

動物園で見かける姿も、ほとんどが水に浮いて毛づくろいをしてい

るんだよ。

ウニや貝類、カニなどの甲殻類や魚、イカや海藻などを食べるよ。

潜水能力に優れていて、普通は1分間くらい潜っているけど、5分

くらい潜っていることができるんだって。

 

ラッコはウニや貝類などを胸の上に乗せて、硬い殻を石で叩き

割って食べるんだよ。

繁殖期ははっきりしていないけど、3~4月頃が多いと考えられて

いるんだ。

親は泳ぐときも胸や背中に子どもを乗せて、2ヶ月くらい哺乳する

んだよ。

 

野生での寿命はオスで10~15年で、メスは5年くらい長い。

飼育下では28年生きたものも報告されているんだ。

 

 

こんな野生のラッコの姿を、年間通して観察できる希少な場所が

日本にあるんだよ。

北海道東部、浜中町の霧多布岬

現在、野生の生息数が減少したため取引が規制されていて、国内

の水族館でも珍しい存在になっているんだよ。

 

ラッコがいなくなった海では、ウニが爆発的に増えたっていう

話があるよ。

ラッコが手を顔に当ててる姿がかわいいけど、ラッコは手の平

に毛が生えてないから手が冷えるんだ。

そんな時に顔の目や頬、頭に手をあてるとあったかいから顔に手

を当てるんだって(´▽`)

 

         第56回目  ラッコ  完