第92回目 カワニナ
歯舌という道具を使って餌を食べる生き物 カワニナ
カワニナは主に河川や農業用水路にすんでいるよ。
カワニナ類は、雑食性で、巻貝類だけがもっている歯舌という
道具を使って、石の上にはえている藻類などを少しずつ削り取
って食べています。
カワニナ類の歯舌は、幅約0.5mm、長さ5~8mmの平たいひも
状をしていて、中央にはおろし金のような歯がついていて、そ
の外側には先割れスプーンのつめを長く伸ばしたようなうすい
歯が付いているんだよ。
この歯舌を上下に動かしてえさを削りとるんだ。
歯の構造からみると、硬いものは削れないから、石灰岩からカ
ルシウムをとることはむずかしいみたい。
春から秋にかけて産み出されたカワニナの仔貝は、一年以内に
成熟するんだよ。
そのときの大きさはすんでいる場所の環境条件やえさの質や量
などで変動するんだ。
成長速度は、オス・メスともに、1年目が最も早くて、産仔が
開始される2年目以降は遅くなっていくんだ。
寿命は、はっきりしていないけど、6年以上と推測されるよ。
ゲンジボタルやヘイケボタルの幼虫は代表的な外敵だけど、幼
虫の体長よりも大きく成長したカワニナを食べることはむずか
しいみたい。
大型のカワニナ類を食べられるのは、コイぐらいなんだよ。
コイは、カワニナやタニシなどの巻貝を殻ごと飲み込んで、の
どにある独特の丈夫な歯で噛み砕いて食べてしまうんだ。
ヒル類や寄生虫類もカワニナ類の成長や繁殖に悪い影響を与え
るけど、元気なカワニナを殺してしまうようなことはないんだよ。
カワニナがたくさんいなければ、ホタル類の幼虫、特にゲンジボ
タルの幼虫は生きていけないことになるんだ。
歯舌という道具を使って餌を食べる生き物 カワニナ
第92回目 カワニナ 完