第73回目 ラフレシア
約2年間かけて子孫を残す準備をする生き物 ラフレシア
肉厚で90cm程に達する巨大な花をつけることで知られた植物。
花びらは特徴的な質感で、踏みつけると発泡スチロールのよう
にパリパリと割れるそうだよ。
巨大な花や、独特な臭い、血のような真っ赤な花びらに白い斑点
がついた色合いから、気味の悪い花とされることも。
ラフレシアは見た目もさることながら、その生態も少し変わって
いるんだよ。
通常の植物の基本的なパーツの葉・根・茎がラフレシアにはない
んだ。
木の根元などにポツンと花だけが咲いているんだよ。
ラフレシアは植物だけど、自ら光合成を行うことができないんだ。
根が無いから、土から栄養を吸収することもできず、光合成もで
きないんだよ。
ラフレシアはどうやって栄養を補給しているんだろう?
なんと、ラフレシアはブドウ科の植物の根などに寄生して、他
の植物が作り出した栄養を奪う全寄生植物なんだよ。
寄主の細胞内に入り込んだラフレシアの微細な糸状の細胞列は、
寄主が光合成などで作り出した栄養を奪いながら花を咲かせる
んだ。
ラフレシアは、人食い植物ではありませんが、植物食い植物だ
ということなんだね。
ラフレシアの花を見れたら奇跡的といわれているんだ。
ラフレシアの寿命は約2年と言われていて、2年もの間ずっと花
を咲かせているわけではないんだよ。
他の植物の細胞に入り込んだラフレシアは、約2年間かけて子孫
を残す準備をして、準備が整うと90cmにもなる巨大な花を咲か
せるけど、この花は約2~5日で枯れてしまうんだ。
つまり、ラフレシアの花を見るには開花した3日間しかチャンス
がないんだよ。
巨大な花だから見つけるのは簡単な気もするけど、実際にラフレ
シアの花を見つけることはとても困難だと言われているよ。
第73回目 ラフレシア 完